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「海はすギョ〜い感動に出会える場所」さかなクンが考えるSDGsアクション始めの一歩

「10年後の未来をよくしたい!」という思いで活動している人たちにお話を聞く、「SDGs People インタビュー」。今回のSDGs Peopleは、魚類学者としての研究だけでなく、イラストレーターとして海の魅力や問題を一般の人にもわかりやすく伝えている、さかなクンです。最近ではSDGsに関する講演も行うさかなクン。海に対して私たちはなにができるのか、聞いてみました。

海に行くたびに「この自然を壊しちゃいけない!」って思う

──海に関する活動を続けていますが、その原動力はどこにあるのでしょうか?

この大自然を壊していけないという気持ちが強いです。

わたくしは小学生のときにタコを好きになって今に至りますが、「海でお魚に出会いたい!」という気持ちや、実際に会った瞬間の感動は、今も変わりません。図鑑を見て「会いたい!」と思い、実際に海に行っていろんなお魚に出会えたときに、「会えたぞー!」という感動があります。

大好きな生き物や夢中だったお魚には、何回会っても嬉しいですね。友達に何回会っても嬉しいのと同じです。「今日はここにいたんですね!」とか「しばらく会ってなかったけどお元気ですね!」という感じです。同じ種のお魚でも大きさや個体差などの違いがありますし、季節や産地も違えば味わいも変わります。その時々の感動があり、いつ会っても、何回会ってもすギョ〜く嬉しいんです。

これまで、お魚や海、自然から、たくさんの感動をいただいてきました。だからこそ、海に行くたび、この自然を壊してはいけないという気持ちになります。

海を守ること以前に、壊してはいけないと思います。この大自然は、先人の皆様から私たちに受け継がれてきた宝物です。

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お魚が環境の変化を教えてくれる!

──自然に感動し続け、海に通い続けるさかなクンの目から見て環境の変化をどう感じていますか?

地球の歴史からみたら一瞬のはずなのに、やはり、ここ数十年、環境が大きく変化していることを感じます。その変化は、自然界の生き物が教えてくれているように思います。

生き物は、わたくしたち人間の言葉で訴えることはありません。でも、お魚でいえば、とれる季節が変わったり、本来の分布が変わったりすることで、地球環境が変わっていることを伝えてくれているように思います。

2020年はサンマちゃんの漁獲量が観測史上一番取れなかったと言われています。しかも、大きさも年々小さくなっていることも心配されています。

ニュースで知るだけでなく、実体験で感じることもあります。わたくしが暮らしている千葉県館山市の海は、以前は、カジメやワカメやヒジキなど海藻が豊かな海でした。それが、水温上昇により海藻が育ちづらくなり、サンゴが増えています。一見綺麗に見えますが、昔とはだいぶ変わっています。海藻が減ったことでお魚の生態系も変わっています。これは、地元の漁師さんからも聞きますし、海に潜って見ても分かります。

自然界の生き物は、本来の自然のバランスが保たれれば、それぞれの生息域や大きさが極端に変わることはありません。生息地や大きさ、数など、お魚は身をもって、海の環境が変化していることをわたくしたちに教えてくれているように思います。

この重大さに気づけるか気づけないか。アクションを起こすか起こさないか。今の選択次第で、未来に大きな違いが生まれると思います。

大自然があってこそ、わたくしたちはおいしい食材をいただけますし、たくさんの感動をいただけます。わたくしたちが自然に感謝の気持ちを持って、恩返しするぐらいの気持ちで海の問題に取り組んでいくべきではないのかと感じています。

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楽しい、嬉しい、よし、頑張ろう!で続けられる

──地球に恩返しするために、さかなクンおすすめのSDGsアクションはありますか?

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今すぐには難しいかもしれませんが、海や川などの自然の中で感動を肌で感じたら、本当に守らなければいけないものや、大切にしなければならないものが分かります。

美しい自然の感動を実際に肌で感じないと、何を守らなきゃいけないのか、何が大切なのか気づけません。まずは、自分の目で見て、肌で触れて、ギョ感(五感)すべてを使って、自然の喜びやありがたさを知りたいですね!そうすると、いろんなことに気づいたり、自分ができることが浮かんだりと、発想がどんどん広がっていくと思います。

わたくしは、長年暮らした神奈川県の各地の海での感動いっぱいの思い出があります。

小学校2~3年生の頃は根岸の海。友達のおじいちゃんに連れられ、よくマハゼを釣りました。そこではギョっとするくらいきれいなマハゼちゃんが釣れるんです。マハゼちゃんって、一見地味に見えますが、しっかりと見るとすギョ〜くきれいなんです。広げたひれは光にあたると虹のように何色にもキラキラ輝いて、目もグリーンにキラキラです。水槽に入れると、壁にくっついて可愛いんですね~。もちろん!マハゼちゃんは、天ぷらにすると、とっても美味しいです!初めて食べた時は、その美味しさに飛びあがりました!今でもマハゼちゃんの天ぷらが天ぷら種の中で一番好きです。マハゼちゃんはなかなかお魚屋さんでは売っていません。自分で釣ったお魚だから美味しさも喜びもひとしお!

根岸以外にも、江ノ島や城ヶ島、大磯の海にもよく通いました。

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成魚(大人)になってから横浜の海に初めて潜ったときも感動しました。長年に渡り、海の中の海底清掃をされる皆様の御活動に参加させていただき、「氷川丸」の周りの海にレッツギョ~!!横浜の海の中を見るのは初めてでしたが、メバルちゃんの仲間たちがこっちを見ていたり、アイナメちゃんやニセフウライチョウチョウウオちゃん(幼魚)、コンゴウフグちゃん(幼魚)までいて、すギョ〜く感動しました!!海底には、ゴミもたくさんありました。その中で空き缶を住処にするアカオビシマハゼちゃんもいて、たくましいと思いました。

お魚を好きにならなかったら、自然の中でこれほど感動しなかったし、環境の事についても興味を持たなかったと思います。小さい頃にお魚を好きになって、海に通って良かったです。

好奇心を持ったら、いろんな情報を集めることも大切だと思います。わたくしの場合は漁師さんのお船に乗せていただいたり、お魚屋さんや研究者の先生方などから学ばせていただくことも多いです。身の回りを見渡してみると、プロフェッショナルの人がいっぱいいます。

お魚でいえば、お魚屋さん、お料理屋さん、水族館の飼育員さん、研究者の先生、そして、漁師さんと、プロフェッショナルがいっぱいです!お話を聞かなきゃもったいないですし、聞いてみると、目からうろこが出るような情報をいっぱい教えてくださいます。

いろいろ調べてもわからないことを知って、新しい感動や学びにつながります。さらに!海の状況やそれに対するいろんな活動を知り、自分も参加してみなきゃ!と思うわけです。

わくわくとした気持ちと、尊敬の念を持ってプロフェッショナルの方に聞けばきっと、たくさん教えてくださると思います。

それに知的好奇心には年の差がないんですね。漁師さんの中には、高齢の方も多いですが、大自然の中で毎日お元気にお仕事されていらっしゃるので若々しく、友達のように接してくださるので、それがまた心地良くて、何度でも通いたくなって、サステナブルな活動に繋がると思うのです。

さかなクンは、小さい頃はものすギョく人見知りだったので、ためらう事ばかりでした。それでも、続けるうちに慣れていくものです。

ちょっとの勇気は必要かもしれませんが、「せっかくだから喋ってみよう」とか「教えてもらいたいな」という思いで踏み出してみる。そこで話ができたら、教えてもらって良かったー!とか、話すのって楽しい、食べてみたら美味しいと、全部が感動につながります。さかなクンの実体験から、そう思います。

様々な問題に対して、危機感からスタートすると、「大変すぎて、自分ができることなんて何もないじゃないか!」と思ってしまうかもしれませんし、もしかするとそれで気持ちが終わってしまうかもしれません。だけど、ポジティブな気持ちから始めると「ひょっとして自分にこれができるんじゃないか!」と考えられたり、楽しく続けられることを見つけたりすることができるかもしれません。仲間が増えればもっと楽しくなります。「楽しい、嬉しい、よし、頑張ろう!」となれば、みんなが無理なく続けられると思います。

感動のお返しは、小さなことからでもOK

──さかなクン自身が描いている未来や、ご自身が心がけているSDGsアクションを教えてください

2048年に食卓から魚が消えるという学説もありますが、お魚はたくましい生き物です。温度が変わるとその温度に適応したお魚が住み着きますし、ヘどろの中でたくましく生きるお魚もいます。

だからといって、今のままでいいかというと、そうではありません。やっぱり、本来あるべき自然が一番だと思いますので、人為的な影響で生態系が変わってしまうことは、止めなければいけないと思います。そのために、一人ひとりが気づかなければならないと思います。

今は科学的な発見がたくさんありますし、情報化が進んで様々な知識を得ることができます。知的好奇心を持って、問題にしっかりと目を向けて、もっとたくさん知りたい、もっとたくさん学んでいきたいと思って行動すれば、できることは無限に広がると思うんです。

発想を変えたり、一人ひとりが意識を変えれば、いくらでもいい方向に変えていけると、強く思います。

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わたくしの場合、海に行ってお魚を見て、感動をいただくばかりでは申し訳ないので、せめて自分が見つけたゴミは拾っています。また、地域の海岸清掃があれば、なるべく参加しています。また、さかなクンとして大自然から教えていただいた海の状況を、お話や絵を通して伝えていくことが、自分にできることだと考えています。

四方を海に囲まれて、大自然がいっぱいの日本は本当に素晴らしい国だと思います。美しい景色を眺めるだけで元気になりますし、いい空気を吸ったり、波の音を聞いたり、お魚を見たり、自然の食材を食べて元気になったり、健康にもつながりますし、いいことづくめでギョざいますね。

今に至るまで、見てきた光景や、匂いや音や、味わったおいしさなど、ギョ感(五感)で感じたもの全部が宝物でギョざいます。

この大自然を絶対に壊しちゃいけないのでギョざいます。今、地球がどういう状況を迎えているのかを他人事ではなく自分事として捉え、毎日の生活の中で自らできる事を始め、みんなで情報を交換し、なによりも続けることが大切だと思います。

●さかなクン
国立大学法人 東京海洋大学名誉博士/客員准教授。
東京都生まれ、神奈川県綾瀬市育ち、千葉県館山市在住。
2010年には絶滅したと思われていたクニマスの生息確認に貢献。さらに海洋に関する普及・啓発活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞。お魚のさまざまな知識、おいしい食べ方や環境問題について全国各地で講演を行っている。執筆活動では『朝日小学生新聞』にて毎週(土)「おしえてさかなクン」イラストコラムを連載中。

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