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日本の漁業は10年でどう変わっているのか?

こんにちは。編集部の島田です。

SDGsの各目標の中で、私自身が特に興味深いと思ったテーマについてご紹介するこの連載。

今回は、目標14「海の豊かさを守ろう」の中から

14.4
水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

というターゲットについて調べてみました。私が個人的に話を聞いたり、インターネットの記事から調べたりしているので、詳しい方からの意見や間違いへの指摘などありましたら、ぜひお願いします。

まず、このターゲットを見たときに、期限が「2020年まで」となっていることに驚きました。SDGsは2030年までに達成すべき目標ですが、169のターゲットの中には2020年、2025年など、前倒しの期限が設定されているターゲットもあるのです。

2020年を期限にするターゲットは約20で、特に「ゴール14:海の豊かさを守ろう」「ゴール15:陸の豊かさも守ろう」に多く存在します。「10年先の目標」と思っていたものが、今年までだと知って、急に焦りを感じました。

どんなものが今年までの達成を目指されているのか、興味がある方はぜひ169のターゲットを見てください。

日本の魚は増えてる?減ってる?

今回取り上げたターゲットには、いくつかの要素があります。

・乱獲をやめて科学的な管理計画を実施すること
・違法・無報告・無規制(IUU)漁業をやめること
・破壊的な漁業慣行をやめること

乱獲、魚の獲り過ぎによって「魚が獲れなくなっている」「サイズが小さくなっている」という話は、サンマやウナギが旬の時期になるとニュースでも報道されているので、ご存知の方も多いかもしれません。実際に水揚げ量を見てみると、世界では上昇し続けているのに対して、日本では1980年代をピークに大きく減少しています。

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【データ参照元】Food and Agriculture Organization of the United Nations

このデータだけでは、「漁師が減っている」「日本でシーフードの需要が減っている」可能性もあります。ただ、日本周辺の資源量(≒生息する魚の量)の状況を見ると、実に4割ほどが「低位」の水準であるというデータもあり、「資源量が十分でないため、水揚げ量が減っている」と予測できるのではないでしょうか。

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【出典】我が国周辺水域の水産資源に関する資源水準の状況及び推移(46魚種77系群)

そんな状況の中、日本では2018年に、70年ぶりに漁業法の改正が決まりました。改正の目玉は、科学的な手法を用いて、海中の魚量を高く保ちながらも、漁業者の収入を安定させるための新しい管理のアイディアを盛り込んだことだと言われています。

クロマグロ、サンマ、スケトウダラ、マアジ、マイワシ、マサバ・ゴマサバ、スルメイカ、ズワイガニの8種類の魚種が、国際的にもよく使われている方法で管理されることになりました。「8種類だけでいいのか?」「その管理方法が適切なのか?」などの声もあるようですが、科学的な方法で管理を行い資源量を守りながら、漁獲量と漁業者の収入のバランスを安定させることは、10年後に続く漁業のための、重要な一歩ではないでしょうか。

管理方法を改善する一方で、その管理を無視するIUU漁業は深刻な問題です。世界のIUU漁業による漁獲を金銭に置き換えた推定値は、日本の年間漁業生産高に匹敵するほどと言われています。

IUU漁業を撲滅するためには、いつ・どこで・誰が獲った魚で、どういう流通経路をたどってきたかを見える化することが重要と言われています。EUでは、2010年にすべての輸入される水産物・加工品に漁獲証明書の提出を義務付けることで、対策を強化してきたそうです。2018年には漁獲証明書の電子化も実現しました。

対して日本は、厳格な規制がないため、違法水産物がどんどん流入してくる状況と言われているそうです。「流通している1/3の魚はIUU漁業によって獲られている」という提言がなされるほどです。

ICタグを使って産地から消費者に届くまでの経路を見える化する取り組みなども始まっているようですが、まだ目標を達成しているとは言い難い状況。2030年に向けて、この課題には引き続き取り組む必要があるとわかりました。

* * *

私自身、仕事で漁業関係の人の話を聞くことも多いので、ある程度は聞いたこともある話でしたが、IUU漁業の問題の深刻さには危機感を覚えました。違法な船でとった魚を海上で正規の船に移して、正規の漁業でとれたものとして港で水揚げされて、市場に出回るものもあるそうです。つまり、小売企業、流通企業も気づかない間に、私たち消費者の元に届いているということです。個人としてできることは少ないかもしれませんが、認証がある魚や、誰が取った魚かまで明示されているシーフードを選ぶことは大事だと感じました。

また、水産業は関わっている人が多く、それぞれの立場の利害も関係しているため、資源管理や乱獲、流通などに対して様々な考え方があり、どの説が正しいのか見極めるのは、なかなか難しいと感じました。
調べて見ると、いろんな考え方に触れることができ、問題の難しさに悩みもしますが、問題が一歩自分ごとになりました。みなさんが興味のあること、調べてみたいことがあれば、私も一緒に調べてみますので、ぜひご連絡ください。

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