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【SDGs映画紹介】子どもの感覚を追体験できる『最初に父が殺された』

「10年後の未来をつくるノート」編集部が、さまざまな視点からおうち時間をSDGsに触れる時間にするためのアイデアをご提案をしていく「おうちでSDGs」。今回は、子どものリアルな視点で描かれた『最初に父が殺された』をご紹介します。

推薦者は、10年後の未来をつくるトークでお話いただいた、映像クリエイターでWORLD FESTIVAL Inc.の近藤さん。エンターテイメントの専門家目線でSDGsを身近に感じられる映画をご紹介いただきます。

最初に父が殺された
2017年製作/136分/アメリカ
原題:First They Killed My Father: A Daughter of Cambodia Remembers
監督 アンジェリーナ・ジョリー
製作 リティ・パン、アンジェリーナ・ジョリー、テッド・サランドス、マイケル・ビエイラ
製作総指揮 ルオン・ウン、マドックス・ジョリー=ピット、アダム・ソムナー、ポーリン・フィッシャー、サラ・ボーウェン、チャーリー・シュリッセル
原作 ルオン・ウン
脚本 ルオン・ウン、アンジェリーナ・ジョリー
撮影 アンソニー・ドッド・マントル
美術 トム・ブラウン
衣装 エレン・マイロニック
編集 グザビエ・ボックス、パトリシア・ロンメル
音楽 マルコ・ベルトラミ、スレイ・モック・サリウム、ポーン・コンペーク、スウェン・ソチェアータ

クメール・ルージュ支配下のカンボジアで過酷な少女時代を送ったルオン・ウンの回想録「最初に父が殺された 飢餓と虐殺の恐怖を越えて」を映画化した作品。

子どもの感覚を追体験できる映画

クメール・ルージュの実態を、子どもだった主人公の視点から描く本作品。子どもの視点に忠実で、一つひとつに細かい説明がなく、その分、子どもが何を感じたかを当事者のようにリアルに体感できます。

内戦下のプノンペン。主人公は政府の役人である父や家族に囲まれて裕福な暮らしを送っていましたが、反米を掲げるクメール・ルージュの侵攻により、わずかな荷物だけを持ってプノンペンを追われることになります。過酷な道中の末、クメール・ルージュ支配下の農村に辿り着いた一家は重労働を強いられ、飢餓で命を落とす人々の姿を目の当たりにします。ある日、父が兵士たちに呼び出され、殺害されてしまいます。

子どもの視点で描かれているため、幸せな平穏な日々の中に、突然戦車が登場したり、家族が町から逃げることになったり、トラックの荷台に乗せられたり、何が起きているかわからないままストーリーが進んでいきます。またカメラの目線も子どもの視点となっているため、大人を見上げるシーンが多い。当時の世の中を子どもたちの目となって捉える撮影方法にはとてもリアルさを感じます。

他の映画と比べて一つ一つに対する説明や情報がとても少ないので、シーンによってはよくわからないまま終わってしまうところも少なくありませんが、そこも含めて映画としてはとても楽しみながらも、臨場感と緊張感に包まれて、感情的に受け止めながら、主人公と共に歩んでいける作品です。

わけもわからず、気づいたら悲惨な状況にどんどん追い込まれてしまう主人公とその家族。小さい子どもたちがこんなことを強いられていたと思うと、本当に胸が痛くなります。その共感を通じて、こんなことは絶対に起こしてはいけない、と改めて私たちの心に強く思えるものが残ると思います。

主人公の視点を通して、クメール・ルージュとはどんなものだったのか、当時の社会情勢やそれに翻弄された人々はどんな感じだったのか、クメール・ルージュを知らない人も、知っているけどあまり実態を知らない人にも、どんなものだったかその一端がわかる映画だと思います。ただ情報は少ないので、あくまで小さな女の子の視点からみたクメール・ルージュを体験できる作品です。

様々な社会問題の構造や実態を知ることも大切ですが、それだけでなく、そこで暮らしている人の感情を知ることはもっと大切。その思いに寄り添うこと、共感することが出発点になります。見ていて心が痛くなる映画ですが、だからこそ、多くの人に視聴してほしいです。

共感することは、社会問題やSDGsに取り組む第一歩だと思います。客観的事実を知るだけでなく、当事者の気持ちを知る。それは、時にはつらいことかもしれませんが、当事者感覚を持ち、自分ができる行動をしたり、他の人に伝えていくことが、10年後の未来をつくる一歩だと思います。

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